Milky Way
「ねぇ!ちょっと!」
―ビクッ
突然掛けられた声に私の体が震えた。
「あ…ごめん。びっくりさせたね。」
声の方へと視線を移すとそこには…
ショートカットヘアーで背も高く、一瞬男の子かと見間違うような【格好良い】という言葉がよく似合う女の子が立っていた。
彼女は私を見て一度驚いたような顔をしてから優しく微笑みかける。
「どうした?泣いてるの?」
彼女は私が座っているびしょ濡れのベンチに何の抵抗もなく腰掛けて、差していた傘をそっと私にも差してくれた。
「私…大丈夫だから。」
弱々しい声だったと思う。
だから隣の彼女も引かなかった。
「大丈夫じゃないでしょ?」
優しく言う彼女の言葉が酷く鬱陶しかった。
(やめてよ)
「大丈夫って言ってるじゃない!!!」
私はその場からも逃げた。