Milky Way
だけどそれは叶わなかった。

彼女が私の腕をしっかりと掴んだから。


(え…)


そしてそのまま勢いよく引っ張られて私は彼女の胸の中へと飛び込んでしまっていた。

ギュッと抱きしめられて身動きが取れない。



…ううん、きっと彼女も女の子だから私だって本気で退けようと思ったら出来たと思うの。



雨に奪い取られた私の冷え切った体に彼女の温かな体温は心地よくて…
とても柔らかくて…
あの遠い日にさよならしたママに包まれてるみたいに感じてしまったのよ。


だから知らず知らずのうちに彼女の腕の中で泣きじゃくっていた。

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