Milky Way
視線の先にはシンがいた。
体育館のすぐ横の水道で顔を洗っている。

私は彼女に目が釘付けになって視線を逸らせないでいた。

すると彼女の部活仲間がシンの元へと集まっていく。
皆笑顔で会話をしている。


今私の視界に映るシンはとても輝いて見えて、私たちはまるで違う人間なんだって、そう感じてしまう。


(楽しそう。何話してるのかな。あ…)


シンが後輩らしき子の頭を撫でている。

その刹那、私の心が少し軋んだ。
その自分の思いにハッしたの。

(シンにとって私は特別だって、勘違いしちゃってたのかな。私たち出会ってから大した時間も経っていないのにそんな風に思っていたなんて…)

自分自身が恥ずかしい。

私はあの輪には入れない。


ただのヤキモチ。

恋愛の嫉妬とは違う感情。


そっと私はその場を去った。
< 39 / 236 >

この作品をシェア

pagetop