Milky Way
「よっと♪」

シンが堤防の上に上がる。

「転ばないでねー」

「平気だってば」

冗談っぽく言う私の頭をちょこんと小突いた。

こんなやり取りが好きだ。
シンは頭を触るのが好きみたい。
それが私には心地が良い。


「琴もおいで。ちょっと座って話そう?」

「いいよ。じゃあ手貸して?」

嫌だなんて気持ちこれっぽっちも無かったけれど、スカートだし、ちょっとだけ捻くれてみる。


「はいはい。琴は甘えんぼだね」


参ったかのように手を差し伸べてくれるシン。

彼女の力を借りて堤防に登って…2人して海の方を向いておしゃべりをした。


いつもみたいに他愛のない話。
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