Milky Way

「あのね、琴。うちのお父さんとお母さんいるでしょ？」

「うん」


私が遊びに行く度に歓迎してくれる優しいシンのご両親。


「あのねーお父さんとお母さんね、あたしの本当の両親じゃないんだー」


（え…！？）


隣にいるシンに顔を向ける。
彼女は普段の口調で普段の表情で話してた。
こちらは見てはいないけれど。


「あたしね、今のお母さんのお姉ちゃんの子供なの。だから今の両親にしてみれば私は姪っ子。お父さんに限っては血すら繋がっていないんだけどね。」


『アハハ』と苦笑いするシンから目が離せなかった。

シンの家はいつも絵に描いたように幸せな家庭に見えたから、複雑な事情があるなんて思ってもいなかったの。

そんなことを苦笑いをしつつも何でもないような風に話すシン。

私は途端に胸が苦しくなってシンの制服の袖をぎゅっと掴んだ。