Milky Way
何気ない会話であの女のことなんて吹き飛んだ。

(どうでもいいや)

って思える程。

そう思う自分に『パパ、ごめんね』とも思ったけど、私が言わなければパパには伝わらないもんね。

(きっと何も変わらない)

そう思いながらシンの声に耳を傾けていた。


「シンは部活の後の用事って何だったの?」

『あー今度の練習試合のミーティングを先生とやってたんだ』

シンは今女子バスケ部のキャプテン。

30人程いる女バスを率いている。

「大変だねー」

『まあね、でも楽しいよ。琴も入ればいいのにー』

「今さら?嫌だよーバスケやったら疲れるもん!」

『あはは』

シンのこういうところ素敵だと思う。

大変なことも楽しさに変えられるところ。

私にもそういう強さが欲しい。



―ダッダッダッ

(え!)


携帯電話を当てている反対側の耳から突如不快な音が聞こえてきた。

あの女の足音だ。

私の心臓の心拍数はみるみるうちに跳ね上がる。
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