Milky Way
「琴、部屋に行こう?」

シンは私の手を引いて二階へと連れて行く。

私はシンの両親に『ご迷惑をお掛けしてごめんなさい』と『お邪魔します』と伝え、彼女に連れられるがままに部屋へと入った。

隣同士でベッドに腰掛けるとシンは私の手を取ったままこちらへと向き直おる。


「聞いてもいい?」

いつもとは違う真顔で真剣さを帯びた表情。
私はコクンと小さく頷く。

(シンには知る権利があるはずだから。何より私が聞いてもらいたい…)


「さっき私を殴っていた女の人はね…本当のママじゃないのよ」

驚いた表情のシン。

「私の本当のママは小学生の時に病気で死んじゃったの」

握った手に力が込められた。
少しだけ痛い。

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