Milky Way
「あの女はパパの再婚相手。私のことが邪魔なんだと思う。」

「じゃあ琴はお父さんの再婚相手にずっとあんなことされてたの?」

「…うん」

「いつから?」

「もう7年くらい前かな」

「ずっと我慢してたの?」

見つめるシンの瞳には薄っすら涙が浮かんでいた。

「…うん」



―ガバッ


突然シンに抱きしめられた。


「シン?」

私は少し戸惑って名前を呼んでみる。

「…琴」

か弱いシンの声。
泣いているのだとすぐに理解出来た。

私の瞳からも涙が零れ落ちていく。

「シン泣かないで?」

「…っ、琴は…いっぱい泣いていいんだよ?…いっぱい、いっぱい辛かったね?いっぱい…我慢したね?」

「私は…だい…じょうぶ、なのよ…?ことは…強い子なんだもん…」

「琴は…、琴は強いよ…?でも…弱くたっていいんだよ?…泣きたい時に…泣くのは弱さじゃないんだよ。大丈夫…誰も見てないから、もう我慢しなくていいんだよ。」

涙声を含みながらも優しいシンの声は私の涙腺を刺激する。
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