Milky Way
泣いてもいいんだと思えた。
素直にこの腕の中で。

「うっ…ひっく…わぁぁぁんっ…!!」

子供のように声を上げて、泣いて泣いて泣いて。
シンはその間ずっと私をあやすように髪の毛や背中を撫でてくれていた。


(どうしてママは死んじゃったの?どうしてママの変わりに来たのがあの女なの?)


ママは優しかった。

ママの病室は子供部屋のように沢山のおもちゃやお絵かきセット、絵本があったの。

全部私のために用意してくれたもの達。

いつだか『楽しそうな琴を見てるのが好きなのよ』と微笑んでくれたことがあったの。

ママが笑顔だと私も嬉しくなった。

その笑顔が私は大好きだったのよ。


ふんわり柔らかくて天使のようなママがどうしてもうこの世界にいないの?

そしてどうして傍にいるのがあの女なのだろう。


その事実が悔しくて、辛くて私はシンの腕の中で涙が枯れる程泣きじゃくった。

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