Milky Way
「シン、寝ちゃった?」

静かに問う。
本当に寝ていたら悪いから。

「ううん、まだ寝てないよ。」

聞こえてくる声に安心した。

「シンはどうして来てくれたの?」

「琴、携帯切ってなかったんだよ?全部聞こえてた。」

「…そっか」

(そうだったんだ。ドジだな、私。)

「琴、明日病院行こうね?」

「…うん、ありがとう。」

「うん」


静まり返ったシンの部屋。
だけど私の家とは違う空気。


「シン、私のこと…嫌いに、なった?」


不安に思っていた言葉。
恐る恐る聞いてみた。
しばらくの沈黙の後。



「…好きだよ。」



シンがこちらへと横向きになる。

仰向けに寝ていた私と視線が重なった気がした。

表情はよく分からない。

彼女はゆっくりと私の頭を撫で始める。



「大好きだよ、…どんな琴でも。」



再度優しく囁いてくれたシンの声が眠気を誘う。

泣き腫らした瞼が重い。


瞳を閉じるとそのまま夢へと落ちていった。

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