Milky Way
ひとつになりゆくふたつの影
夏休みはシン達3年生の引退試合を見に行ったし、シンともいっぱい会った。

シンの家に何回も泊まりに行って朝日が昇るまでずっと語りあったり、ホラー映画のDVDを借りてきて2人して『キャーキャー』言ったり、充実した日々を送れたの。

シンだけじゃなくてアンナとも遊んだし、ショウゴや他の男子ともデートした。

そんな事実をシンにもアンナにも伝える私。

女の子だから男の子の話をするのなんて当たり前のことだよね。

どこに行ったとか、何が嬉しかっただとか。

アンナは色々突っ込んでくるけどシンはいつもの笑顔で聞いてくれていた。

決してつまんなそうにはしていなかったから、私もニコニコしながら話す。

これが定番の話題にもなりつつあったの。



そしてひとつの季節を越え秋になった。

シンの卒業まであと半年程。



まだまだ残暑の厳しい9月の終わり。

外はまだ蝉の鳴き声すら聞こえる。

『この蝉も1週間後には死んでしまうんだね』

そんなことを思いながらの放課後、私はいつものように図書館の奥の席でシンを待つ。


シンは部活を引退してからというものの比較的早く帰れるようになったのだけれど、何かと忙しそうにしている。

だから今日も私はひとりこの図書館でシンを待つ。

とても落ち着く場所だから人を待つにはぴったりの場所。

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