Milky Way
そっと自らの唇をなぞる。

あの日のシンの唇の感触は体に焼き付いていた。

誰かとキスをしたのは初めてではない。

だけどこんなに胸が騒ぐキスは初めて。


私は自分の心の真意を分からないでいる。

いや、分かろうとしていないのかもしれない。

分かりたくないのかもしれない。


ただモヤモヤしたものが胸の中で燻っていた。

【蓋をする】ということでその気持ちから逃げることが一番良いと思っていたことは確か。


お互いの為に今までと同じように親友の【フリ】をしようと決めた。

【フリ】は所詮【フリ】であってもう純粋なものではないけれど…
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