Milky Way
「琴、おはよう。」

朝から爽やかなシン。
シンはかなりの朝方人間。

私はいまだ眠い眼を擦りながら勉強道具を広げた。

土曜日だからだろうか、図書館にはほとんど人気はない。
奥の方なら尚更のこと。

私たちの鉛筆の音だけが鳴り響いていた。


お昼までぶっ通しの勉強会。

(疲れた…)


「そろそろお昼ご飯にする?」

突然のシンの提案。

私の心が顔に出ていたのだろう。

「うん!」

私はそれはもう元気に頷く。

「じゃあ、屋上で食べよう。」

シンの提案に否と言う理由もなく私たちは屋上へと向かった。


至極快晴の青空。

普段閉まっている屋上は土日だけ解禁される。

理由など知る由もないが、せっかくだから行くしかない。

私たちは地べたに座り込んでお昼ご飯を広げた。

シンはママの手作り弁当。
私はコンビニで買ったジュースと菓子パン。

物は違えど誰かと一緒に食べるご飯はとても美味しかった。

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