Milky Way
その日の夜、家を抜け出しあるところへ行った。

あるところとは海辺の公園。
シンと初めて出逢った場所。

悲しい程に鳴り響く波の音。

あの日の出来事を思い出す。

心地良い温もりを今でも覚えている。
どんな時でも私を守ってくれていた。
居場所を与えてくれた。
全部全部シンが…。

また涙が溢れそうになって思考を逸らす。


(まだかな…遅いな。)


私はある人を待っている。

ここに来る前に呼び出したから。


「ごめんな、待ったよな?」


そこに現れたのはショウゴ。

走ってきたのだろう。
息を切らしている。


「ううん、全然余裕。」

私が笑ってみせると安心したように「あっちに行こう」と堤防を指差した。


私達は海辺の堤防に座り夜の海を眺める。
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