視線の権利
「あらコレ、カワイイ色!」
オーナー、それ10代か20歳前後の、
上下の下着……。
「あ、あの」
「子供っぽくなりすぎない。若い子はキャラ好きだけど、こういうほうが売れるわね」
あのー……。
「サイズもぴったりね。キャミも良さげ」
はあ。
「ケイナちゃん、サンプルだけど縫製はいいモノだから後で持って帰りなさい」
「えっ!」
という声は無視されオーナーはラックからあれこれ
今度は春夏ものの服を私に当ててミラーで見せる。
「うん! ケイナちゃんがいて良かったわ。行きましょう!」
すっかり片付けを終えて準備万端のアキノが
楽しげに
「行きましょ行きましょー♪」
と、ぴょんぴょん跳ねている。
オーナーが素早く携帯で何かを指示する間、アキノは私を拘束するみたいに
はしゃぎながら後ろから抱きついて
離さなかった。