[妖短]空の境界線を越えて
2.五十嵐
ハァ。

ついつい出るため息。

「だいじょぶ?ハルカぁ」
「う~ん」
「うどんに顔突っ込まないでよ?」
「それはしない」

寮生にはお弁当が無いので、お昼ごはんは学食で食べる。

しかし、学食仲間に心配されるぐらい、食欲が無い。
天玉うどんをどうにかこうにかすすっていると、

ケータイをチェックしていた子が、
「あ、ヒロくんから呼び出し~」
そう言いながら抜けていった。

え?あれ?
「カレシ?」
「一抜けか~」
「あ、あたしもちょっと~」
ポツポツと抜けていく仲間達。

「え?」
「あ~。来月から夏休みだもんね~」
置いていかれた方が遥かに少なくなっていて、愕然とする。

「ため息も出るよね?」

アレはそういう意味じゃなかったんだけど…。

そう思いながら見回して、
「アレ?うちのクラス私一人?」
よく見れば学食組で同じクラスの顔が一人もいなくなっていた。


わ~ん。
残りの昼休みどうしよう。
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