[妖短]空の境界線を越えて
4月半ばでまだ寒いけど、桜が咲き始めていて青空にピンクのつぼみがよく映えた。


教えてもらっていた陸上部の部室を訪ねると、マネージャーと数人だけしかいなかった。

「わ~。神山さん来てくれたんだ!
じゃあ。はい。コレ。入部届け」
「見学です!」
マネージャーさん達は、ナイスつっこみ!と爆笑した後、
「今トラックの連中は外走ってるから…。
なんなら一緒に走る?」
また、振る。

私が呆れていると、
「フィールド競技でも見学しながら待つ?」
そう聞かれたので、
「トラックとフィールドって何ですか?」
聞き返す。

「そか。
トラックが走るやつね。短距離とか中距離とか、ハードルとか。
フィールドはそれ以外の、砲丸投げとか、走り幅跳びとか」

へー。そう分類するのか。


「知らないんなら見てくと面白いよ」

反対する理由も無いので同意する。

「そう?じゃあこっちこっち」
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