あめとてるてる坊主
【3】友達と恋した人

1)嘘と理由

 あの日から、沙世ちゃんの様子がおかしい。

 ふとした瞬間、よく考え込んでいる。


 どうしたの?何かあったの?


 怖くて、私は聞けなかった。

 里美ちゃんが気にして、聞いたりしたらしいけど、沙世ちゃんはなんでもないと答えたらしい。

 クラスメイトから、喧嘩でもしたのといわれるくらい、私はぎくしゃくしていた。


 夏休みには入っていたけれど、夏課外が実施されていた。

 強制ではないけれど、参加するのが当然というもので、ほとんどが夏休みでも学校にやってくる。

 だから、夏休みでも変わらず、バス停前に立っていた。
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