あめとてるてる坊主
 屋根やベンチのない、ただバス停だけのこの場所は、暑くてたまらない。

 クラクラする。

 ここで倒れたら、この現実から逃げられるだろうか。

 思わず右隣を見た。

 誰もいない。

 視界に広がる青い空と白い雲。

 彼に会いたい。

 雨が降ればいいのに。

 そしたら、この気持ちも少しは楽になる。


 会いたい。

 会いたい。
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