あめとてるてる坊主
 そんな日々が続いた、夏課外前半が終わる5日前。

 雨が降った。

 でも、彼が来るかは分からない。

 他校の彼が、夏休みもバス停に来るかわからない。

 課外でもない限り、部活でもしない限り来ないだろう。

 でも、私は願った。

 会いたくて会いたくて、仕方なかったんだ。


 お気に入りの傘をさして、雨音を聞きながら、彼の足音が聞こえないか耳を澄ます。

 そして、聞こえた水たまりをける音。

 私は顔を上げた。
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