あめとてるてる坊主
 息をのんだ。


「どこを好きか言えないのは、好きとは言えない!」


 ガンと頭を殴られた気がした。

 私の気持ちが嘘だと言われた。

 勘違いだと言われたんだ。

 そんなわけないと腹が立った。

 なんでそんなこと言うんだと悲しくなった。

 ショックだった。

 沙世ちゃんから言われたからこそ、なおさらだった。


「……ひどいよ」

「!」


 やっと出た言葉は、自分でも驚くくらいに震えていた。


「ひどい」
< 117 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop