あめとてるてる坊主
 その日の放課後、私たちは残って、出された課外に取り組んでいた。

 前の時とは違って黙々とシャーペンを走らせる音。

 目の前の数列に集中しないと思い暗いの空気。

 私がきっかけで作ってしまった私たちに漂う重い空気。

 ごめんなんて言えない。

 謝ったら、それは、私の気持ちを否定することになるでしょう?

 思わずシャーペンを走らせる手を止めたとき。


「あのさー」


 沙世ちゃんが口を開いた。
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