あめとてるてる坊主
「あーなんて。照れるね。ちょっとしゃべりすぎちゃったな。里美には内緒ね」


 苦笑いを浮かべた松永さんは人差し指を唇にあてる。

 私は笑って頷いた。



 帰り道、私は疑問に襲われた。

 なんで私にした質問を、松永さんにしていたのか。

 それ以前に、松永さんと知り合いだったこと、なんで沙世ちゃんは言わなかったんだろう。


 あのとき、沙世ちゃんの様子がおかしくなったのは、本当に私のせいだろうか。

 あのとき、沙世ちゃんにはすで見えていたんじゃないんだろうか。
< 134 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop