あめとてるてる坊主
 だから、頑張る。

 私にできることを、やってみなくちゃ。

 その日の夜、携帯を手にして、文字を打つ指が震えた。

 何度も文章を考えて、打って、打ちなおして、考えて。


 結局できた文章は、


【 タオルを返したいです。いつならいいですか? 】


 短い言葉からでも緊張しているのが伝わってしまいそうだった。

 なぜか敬語になったのは、ため口で書いたら、なんだがなれなれしく思えたから。

 彼は気にしないかもしれないけれど、私はそれに臆した。

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