あめとてるてる坊主

 天野君の通う高校は県内有数の進学校。

 そこは文武両道を掲げていて、部活動も盛んで3人とも入部しているらしい。

 部活をしていない私にとって、3人とも輝いて見えた。


「で、これからどうすんの?」


 アイスを食べ終わった頃、天野君が問いかけた。


「な~んも考えてな~い」


 満面の笑みを浮かべて沙世ちゃんが答えた。


「はぁ?何の考えなしに呼んだのかよ」

「いいじゃんか~。あ、明日は休み?」

「あ?土曜は休みだけど」


 顎に親指と人差し指を添え――まるで推理を行う探偵のようなポーズをとって、目を輝かせた。


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