あめとてるてる坊主
「沙世ちゃん、あのね、私、好きな人ができたの」

「え……!?本当に!なんか、嬉しい。そんな話、晴ちゃんから聞いたことないもんね」


 純粋に喜んでくれる沙世ちゃんに、私は少しホッとした。

 心配いらないと思えたんだ。


「うん。あのね、同じバス停で待っている間に好きになってたの。天野君なんだよ……私の好きな人」


 一気に私は言った。

 途中、また不安になって目を伏せてしまった。

 沙世ちゃんの返答を待っていたけれど、いつまでたっても沙世ちゃんが何も言わない。


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