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私が就職して半年経った頃

彼は25歳の誕生日を迎えた






その日


『亜沙美、結婚しよう』


プロポーズされた





突然だった言葉に私は驚き

同時に喜びを感じた




けれども、その返事に素直に頷けず

「ちょっと考えさせて」と言った




永遠に続くと思っていた

描いていた未来予想図



それが当たり前であって日常であった





ある時、それ以外の未来の可能性もあるのでは?と思うようになった



彼の隣に私が居ない未来



私が変わってしまったのだろうか?





今まで囲いの中に居た私が、卒業して社会に触れるようになった



元々、結婚願望が強くない私だ



せっかく自由になれたのに

また囲われるの?
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