本屋の花子〜恋をしたら読む本〜
薄い月明かりに広がる白い砂浜が浮かんでいる海に到着しました。
「小池さん車のトランク開けてもらっていいですか?」
「うん」
花子は車のトランクを開けてみましたよ。
「うわぁどうしたん?こんなに沢山」
「ここに来る前に玩具屋で買って来ましたシーズンオフだから全部半額以下ですよ」
それは沢山の打ち上げ花火でした。
「小池さんやっぱ花火は打ち上げっすよねっ!」
とても嬉しそうにまん丸な顔を黒く焼いた牛田君はとても素敵でしたぁ。
でも牛くんよっ。
花子は打ち上げ花火が苦手なんだよなぁ
牛田君は嬉しい顔のままどれにしようか沢山の打ち上げ花火を選んでいましたよ。
気がつくと
牛田君の動きが止まりゆっくり花子の方へ振り向きました。
あのっ?
牛君?
何だか怖い顔で笑わないで下さいよ
振り向いた牛田君の左手には牛田君の腕ほどの打ち上げ花火が握られていましたよ。
何と無く嫌な予感がします
牛田君打ち上げ花火を握ったまんまで着火しました。
握られた花火からは綺麗な打ち上げられる花火が次から次に発射され月明かりの薄く暗い海へと飛んで夜空を明るくしましたよ。
何か素敵なんですがぁ。
「小池さんこれ小池さんに向けてしていいですか?」
「えっ?」
牛田君はそう言うと静かに花火を花子に向けました。
「いやぁぁぁぁぁぁぁー」
花子真剣に命がけで逃げましたぁ。
逃げる花子に牛田君は益々悪魔になり打ち上げ花火を次から次へ着火
砂浜を必死で逃げる花子!
「アハハハぁ」
「ガハハハぁ!」
何故か逃げながら爆笑してしまう花子。