本屋の花子〜恋をしたら読む本〜
そんなこんなで『あっ』ちゅう間に秋祭り当日になっちまいました。
「小池さん読み聞かせは午前と午後の2回ですまぁ小池さんはお客様のお子様に人気がありますから大丈夫でしょ。ぷぷっ。年齢の割にはSマートのお姉さんって呼ばれてるもんなぁ」
人が夕べから緊張して眠れなかったって言うのにっまっさん蹴ってあげますよ。
しかしこれがまっさんの良い所ですよ。
花子の闘争本能を駆り出して緊張を和らげる作戦なんです。
まっさんはイチイチ花子の性格が解るみたいで。
なのに。
花子はイチイチまっさんの気持ちが解って上げられません。
「まっさんしばこうか?」
一言呟くと花子はまっさんを目を細めて睨んでいましたよ。
ほんまはね。
まっさんにイジラレて嬉しかったりもするのよなぁ。
さて。
読み聞かせ会場へ可愛いお子様達がに会いにいきますよ。
「小池さん。大丈夫ですよそんなに緊張しなくても何時もの明るい元気な笑顔で楽しんで来て下さい貴女ならきっとやり遂げられますから」
まっさんのその言葉が花子の胸を熱くし目尻が熱くなりました。
まっさん・・・。
花子のウルウルした涙になりかけの顔を優しい眼差しで見つめ微笑んだまっさんはとても素敵で花子はまた苦しくなりましたよ。
「小池さん。そんな顔するんやな」
まっさんは少し躊躇ったような感じでチンマイ目をシバシバさせて何だか貰い泣きになってます。
「店長。そんな顔ってよ失礼ちゃうんか?」
花子は震えた泣き声でまっさんに突っかかりましたけどね。
何だか2人は照れ笑いになってヤンワリと距離が近くなって行ったんです。