本屋の花子〜恋をしたら読む本〜
柴田さんのくれたメモに目を落とした花子。


それを読んで直ぐに早足で歩き始めました。


探しものが見つかりそうです。


ん?


何で花子はそれを必死になって探しているんだろっ。



我に還った途端に早足が加速をつけて駆け足になりました。



あいつぅ!




たどり着いた現地に到着建物は古くドアの前の看板も古い小さなスナックの前でした。


{スナック 愛に恋}






現在花子はこの店の名前がイラッとしますよ。



そっと半分ドアを開けて中を覗くと奥の角にあるBOX席で項垂れて烏龍茶を1人飲んでいるまっさんがいました。



花子は静かに近付きまっさんの前の席に座りまっさんの飲んでる烏龍茶を見詰めましたよ。


何にも言葉が見付かりません。



「小池さんほんまにスンマセン」


情けないまっさんの姿が可愛かったり思いました。


がっ。




花子言っていいですか?



「おっさん!大事な言葉は呑んで酔ってる時にはしないでよね」



まっさんは花子の目を見て言いました。



「泣かしてごめん」



「泣いてへんよ」



「何か。僕のせいで汚い顔になってるから心配で」








花子はなんとなく思いましたよ。



器用に表現したり素直に言葉にしたり出来ないんだよね。

まっさん。



花子はもっと出来ませんよ。



「まっさん帰ろよカラオケ行こうかぁ。きっと皆まってるよ」



優しく花子はまっさんの首根っこを掴んで、まっさんの財布から千円を出して会計を済ませ。


「お釣りはいりません」



と店を出ましたぁ。



「お釣貰った?小池さん」


何だろうこの人?


花子は少し笑いたくなりました。


だって痩せっぽっちで背の高い女に引き摺られるメタボな男。



どう見ても花子が強いみたいです。


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