本屋の花子〜恋をしたら読む本〜
「小池さん。隣いいですか?」
漫才師風な声でまっさんがやって来た
花子の読書を邪魔しないでくださいよ
「・・?」
「あの。あのっ何時までも俺を避けないで下さい」
「なんですか?松本店長」
「理由は解ってます。あいつの事やろ?違う違う俺はもう付き合っていません」
まっさんよ。花子はそんな言い訳を聞きたいとは思ってへんのですよ。
「まっさん。珈琲ご馳走してや」
花子は本に目を落としたまままっさんに言いましたまるで命令かの様な偉そうに
何気に珈琲を買いに行ってるまっさんの背中を見てしまいました。
まっさん淋しそうなんですけど
珈琲を両手に振り向いたまっさんから目を本に戻した花子。
何だかなぁ。
不安なんですよ。
何時もっ。
花子は自分に愛される自信がありませんのよね。
まっさんアンマリ花子を好きにならんでくださいやっ。
「小池さん。あのっそんな本を読んで何する気ですか?」
話しをしたいのかまっさんはわざとおどけて言いましたよ。
花子はゆっくり顔をまっさんに向けるとニヤリと笑って言って上げました。
「犯罪の勉強」
「えっ?」
「いくら、別れたってもなっ女性に恥をかかす輩が許せんのよね買い物した物を袋に入れて済むまで待てんかったんかい?」
言いながら泣きそうな花子は馬鹿ですよ。
「小池さん。見てたんですか?」
「はい。見てました彼女の気持ちも見えました」
何とも言えない沈黙の中2人は静かに珈琲をすすっていました。