本屋の花子〜恋をしたら読む本〜
流石でしたよ。

小池さんは怒らすと何でも完ぺきに俊敏にこなしてましたね。

怒りのパワーがそれで助かりましたけど




僕ね。

酒に飲まれるんです。


小池さんも僕以上に酒飲みますけど見て来た範囲で何時も冷静でした


そんな小池さんに影を見たのはある日の飲み会でしたね

皆で一通り騒いで疲れた頃でした


何時もなんですが小池さんは何時も最後にはカウンターに1人座って何故か知恵の輪をしてるんです。

泣きそうな顔して何でか分からなかったんですが

その横顔はまた違った感じで良かったですけどね


そんな時には周りのメンバーも小池さんを1人にして置くんですよ


何時かの飲み会の時もそうでして僕そっと隣に座ったんです。



そしたら小池さんは僕にでは無い何かに語る様に言ったんですよ


『私の大切な友達な死んでん。何時も何時も側にいてくれてたのに突然居なくなってんなぁ、まっさん何時になったらこの知恵の輪外せるんやろ?』


誰よりも小池さんを見守り支えていてくれた大切な友達の気持ちに答える覚悟が出来た時にそれを伝える間も無く居なくなった彼の話をしながら


『知恵の輪外せたらいいのに』

と僕に言った言葉の意味があの時は分かりませんでした。




そんな僕と、小池さんの恋の話と僕が小池花子と言う女性に惚れてからの最後のクリスマスの話をしたいと思います。




松本卓哉
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