本屋の花子〜恋をしたら読む本〜
「小池さぁぁん欠勤届けぇ出していたぁ下さいぃ〜」



まっさん聞こえてまする



花子気まずいからそんな所や無いんだけど



花子は一旦飛び出た事務所に戻り。




まっさんの差し出す欠勤届けをヒラリと奪い取ると隣の席にワザと音を立てて雑に腰掛けたよ。


「ボールペン」



花子はまさんの顔を見ないで手を出しました。



「これでいいですか?」



「・・・」



「小池さん?」


「・・・」


まっさんの手からボールペンを奪い取り。



欠勤届けにひたすら書き込みます。



「あの?」



「なんやろか?」



花子は素直にまっさんの顔を見る事が出来ませんよ。







欠勤届けを書き終わり。

花子は持ち場の花のレジに笑顔で入りました。







笑顔でお客様をお迎えしながら半日が過ぎて行き。


時々まっさんがレジの前を通過すると何故かドキドキしてしまう気持ちを振るい捨て。



たまに感じるまっさんの視線をかなぐり捨て









花子は肩に力が入って何だか疲れる。






そんな時でも花子何故か幸せな予感がしていましたよ。



朝の「おトイレ掃除」のせいかしら。


そんな事を思った時





花子は息を飲みましたよ。

ダ、ダーリンです!


今、正に買い物籠を花子担当レジのスキャナー台にガタッっと置いたのは



ダーリン


Sマートに御来店ですぅ〜。


花子緊張しますぅ。



先ずは可愛い笑顔でお迎えしましたぁ



「今日はぁいらっしゃいませ」


そう言って軽くお辞儀をした後に目に飛び込んで来たのはダーリンのはにかんだ優しい笑顔


花子気絶しそうですよ



あぁぁぁぁ幸せやん


早朝の「幸せを呼ぶトイレ掃除」が効いた様です


さて



先ずはっと。


買い物籠をチェックしますよ


ふむふむ。


並みなお値段のロゼワイン一本。



ワインに良く合うチーズ゙が数種類。



生ハムに鰻の蒲焼き尻尾の部分一人前。

ん?


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