愛は要らない【番外編】
久しぶりの外食で、西園寺 遥は固まった
妻の綾野はひどく真面目な顔で、固まる夫を見ている
「働きたいって・・・。欲しいものでもあるの、かな?」
箸を置いて、遥は動揺しながら聞いてみる
「・・・・・・あると言えばある」
「じゃあ、僕が買ってあげるよ?」
「それじゃ意味がないの。自分で働いて買わないと」
即答されて、遥は苦笑いを浮かべる
思えば、綾野は何かを買って欲しいと言うような性格ではなかった