愛は要らない【番外編】


それに甘えてしまっている自分が、堪らなく嫌いだ


「でも・・・」


怖い

もしも、自分の中に新しい命が宿っていたら

同じことが起こらないなんて、誰にも言えない


怖くて、怖くて───


「・・・・・・ごめんなさい、遥・・・」


遥との子どもが欲しくないわけじゃないのに、怖くて前に踏み出せない


「・・・・・・・・・・・・・・・ッ」


書斎で膝を抱えて、綾野は1人涙を堪えていた


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