愛は要らない【番外編】


「あ、ありがとうございます・・・」


綾野は遥の手を握りしめ、精一杯の笑顔を浮かべる


「・・・奥様は、一度流産されているそうですが、お若いですし、気をつけていれば大丈夫ですよ」

「ありがとうございます、先生」


診察室を後にして、遥は携帯を取り出す


「母さん?うん、そう。妊娠してた。今から帰るから」


電話を切って、遥は綾野の肩を抱く


「大丈夫?」

「大丈夫・・・」


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