愛は要らない【番外編】
「ひどい、ママ!!!」
叫ぶ娘を完全に無視する綾野
「こんなの全然運命じゃない~」
「そんなの一部の人だけよ。無い物ねだりはやめなさい?」
冷たい母の言葉に、遥野は父に助けを求める
「会うだけだから。結婚するわけじゃないんだよ?」
「それでも嫌───!!!」
泣き出す娘に、遥は困ったように苦笑い
「もっと運命的なのがいい~!」
「知りません」
理想は高く
けれど現実は厳しい
それを知った、18の冬だった