愛は要らない【番外編】
棘のある言葉に、綾野は眉間にシワを寄せる
「彼氏がいるなら、断わってあげてもいいわよ?」
「それは・・・・・・ッ」
いないということを分かっている綾野の言葉に、遥野は反論出来ずに詰まる
「遥野。貴女は本当に遥にそっくりね」
「良い意味で?」
「当たり前でしょう?」
にっこり微笑む綾野に、遥野は恨めしげな唸り声をあげた
クリスマスまで1ヶ月が切ろうとする夕方の駅
ため息しか出てこない遥野は、かなり憂鬱なオーラを醸し出している