チョコレート*キス [短編]
二日前ー・・・
つまり先週の金曜日。
アイツのこの一言からはじまった。
「梨乃(リノ)からのチョコ、期待してたのにな。」
アイツとはあたしの元彼であり、今は友達?の圭吾(ケイゴ)・・・圭ちゃんのことである。
私はその言葉にびっくりして圭ちゃんを見たけど、当の本人は言うだけ言って、しょんぼりしながら帰って行った。
「ちょっと梨乃~!圭吾君にチョコあげてないの!?」
そう言ってきたのは親友の美夜(ミヤ)だ。
「あげるも何も・・・今年は受験だから作らないって言ったでしょ?」
中三のこの時期は、はっきり言ってバレンタインなんかで浮かれてられない。
圭ちゃんとは高校が別々になるからあげようかなって、ちょっとだけ、思ってはいたけれど。
「そうだけど~・・・だってさっきの圭吾君見た?超しょんぼりしてたよ?」
「そんなこと言ったって、ないもんはない。」
第一私、圭ちゃんとは半年以上前に別れてるし。
付き合ってたのだって、たったの二週間いくかいかないかだし。
「そんなこと言ってー。まだ好きなんでしょ?」
「うっ・・・」