チョコレート*キス [短編]
二人でベンチに座って、少しの沈黙が続く。
いつもなら、圭ちゃんが私の頭を圭ちゃんの肩にのせさせるのに。
今日は、指一本触れようとして来ない。
どうして?
とてつもなく寂しくなる。
はっとした。
圭ちゃんは、私に飽きちゃった?
だから、私に触れようとしなくて、そっけないの?
付き合ってもいないのに、
そう思うのはおかしいかもしれないけれど。
涙がこぼれそうになったから、慌てて目をこすった。
でも、泣いてるとこ見られちゃうとか、そんな心配いらなかったみたい。
だって、圭ちゃんは真っ直ぐどこか遠くを見つめていて、私のことなんか視界に入っていないみたいだったから。