伝えきれない君の声


どうして、
幸せは長く続かないんだろうか。


幸せの裏には、
必ず悪夢がつきものなのか。


いや、そんなことはない。


私は今回、運が悪かったのだ。
…ただ、それだけのこと。








窓を少し開けたせいで、
隙間から入る夏の陽気にも似た
爽やかな風が部屋を通り抜ける。


それと同時に、カーテンがゆらゆらと揺れる。


私はそれを、
暫く眺めた。


「無」になりたくて。




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