伝えきれない君の声


店長から休暇をもらった。


顔色が悪いから、休んだほうがいい。


店長は何も事実を知らないけれど、空元気な私を変に思ったのだろう。


その優しさに、甘えることにした。



あれから、彼女とは会っていない。
連絡先を知られていなくてよかった。


でももしかしたら、
倉田瑞季から聞かされていて
機会を伺っているだけかもしれない。


だって彼らは、
婚約者なんだから。



「馬鹿みたい…」


口に出して、
本当にそう思った。




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