伝えきれない君の声


お湯でも沸かそうかと立ち上がる。


すると何かに躓いた。


それは、私の書き留めていた詩集。


手に取り、ぐっと込み上げてきたいろんな感情を、飲み込んだ。



…大丈夫。
今なら、まだ間に合う。


そう、本気じゃない。
本気じゃ…ない。


「忘れるなんて、嘘だったなんて…」


そんなの、無理だよ…


声を絞りだし、
私は何も気にせず


心から泣いた。







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