伝えきれない君の声


今日は、人が少ない。


私はいつしか、
うとうと眠気に襲われていた。


疲れているのかも、しれない。


緊張感から解放された、
そんなふわふわとした感覚。


――やば、寝そう……



そう思ったときには、
カウンターに突っ伏し寝息をたてていた。












「………さん、店員さん!」


耳元で怒鳴られ、
慌てて目を開く。


「い、いらっしゃいませ!」


まだ回転しない頭で、
なんとか喋ってみたものの


「店員が寝るとか、ありえないでしょ。」
そう言って笑われてしまった。


最悪……



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