伝えきれない君の声


「…あんた、名前は?」


「私ですか? 栗田美春です。」

「美春…か。
俺は、菅原 健吾。この隣のテレビ局に勤めてるんだ。
今日ここに来たのは初めてで、
あんたの…栗田さんの存在も初めて知った。」



菅原さんは真剣な眼差しで私を見る。


「また、来てもいいかな?」


「…はい。ぜひ。」


私に返答するように、
彼はさっきみたいに無邪気に笑う。


新たな出会いに、
彼の笑顔に、
胸がキュンとなった。






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