伝えきれない君の声
辛い。
まだ、こんなにも辛い。
全部嘘だったと思いたい。
出会いも、
私の気持ちも……
「…今、お取り込み中っすか?」
店長と私は同時に声のほうに振り向く。
そこには、
「菅原さん…」
が、いた。
「いやいや、全然大丈夫ですよ。ご注文お伺い…」
と言いかけて店長が私を見る。
「…いつもの、ですか?」
私の問いかけに、にこりと微笑んだ。
それを見た店長は、
「ありゃモテるな。」
と、肩をすくめた。
「ですよね。」
なんて私も答える。