伝えきれない君の声


……確かに。


メニューには所々、
美味しそうなパスタの写真が
載っている。


(て、ちょっと待って!)


表参道のカフェだからっていうのもあるだろうけれど、
値段が…高すぎる…!


やや心配になり
目の前にいる倉田瑞季に目を向ける。


すると、


彼は「ん?」と優しく微笑みかけた。


…かっこいい…。


こうやって微笑まれるだけで、
何も言えなくなるなんて


思わず下唇を噛んだ。


「どうしたの?…あ、お腹すいてない?」



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