伝えきれない君の声
その時。
ドアを開ける音と共に、
「今夜はすごい雨だ!ライブは中止しよう!」
佐野さんが半ば大声で言った。
開いたドアを見ると、
外は叩きつけるような雨が
降り注いでいる。
「うわっ、こりゃひどい。」
店長も「まいったなー」と言いながら、雨にしかめっ面を向けた。
「2人とも、今日は店閉めたほうがいいぞ。朝にかけて、さらに酷くなるらしい。」
佐野さんの言葉に従い、
私たちはお店の後片付けを行ったあと、帰ることにした。
佐野さんの車に乗り込み、
雨の降りしきる道路に出た。