伝えきれない君の声


第一声は、


「アホか、お前は。」


やっぱり…


第二声は、


「あ、お見舞いは行ってやるよ。」


どういう、こと?


「いいですよ、お見舞いなんて。」


ずずっと鼻をすすり、
さっき入れたショウガ紅茶を飲んだ。


喉に温かさがじわーっと広がり、思わず安堵のため息が出る。


電話を切り、
少しカーテンを開けて青空を見た。



…不思議。
小さい頃からそうだけど、
この広い空を見てると
悩みなんてどうでも良くなる。


けど、
部屋でぽつんと座ってると
またモヤモヤを思い出してしまう。


こういうとき、
自分って弱いな…
なんて考える。




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