伝えきれない君の声


ベッドの上で、部屋を見渡す。


インターフォンは、鳴らない。


なんだ、夢か。


布団を引きずり
枕に頭を付けようとすると、


―ピンポーン…


夢、では無いらしい。


(ほんとに店長、来たのかな?)


ガチャリとドアを開けると




「………ぇっ………」









そこには、
スラリと背の高い、
相変わらず綺麗な顔をした


倉田瑞季が、いた。




< 54 / 154 >

この作品をシェア

pagetop